====== gzip ======
===== 機能 =====
gzipコマンドはcompressとともに入力データを圧縮するコマンドです。
gzipコマンドをファイル名を指定せずに実行すると、標準入力からのデータを読み込み
圧縮したデータは標準出力します。
ファイル名を引数として指定すると、指定されたファイルからデータを読み込み、もとのファイル名に
サフィックス(接尾辞)「.gz」を付加したファイルに圧縮したデータを出力します。
圧縮処理が終了すると、元のファイルは削除されます。
gzipコマンドは、GNUのフリーソフトウェアで、圧縮率も一般的にcompressコマンドより高い為、
フリーのPC-UNIXでは広く用いられています。
ただし商用UNIXなどではgzipコマンドが付属していない場合もあるので、他のUNIX環境のユーザーに
圧縮したデータを渡す場合には、相手が復元可能なコマンドで圧縮する必要があります。
===== 構文 =====
gzip [オプション] [ファイル名]
===== オプション =====
|-c|復元(伸長)したデータを標準出力する。|
|-d|圧縮されたファイルを復元する。|
|-f|同名ファイルが存在した場合、警告を表示せずに強制的に上書きする。|
|-h|ヘルプを表示する。|
|-l|圧縮されたファイルの内容を表示する。|
|-q|コマンドのメッセージを抑制する。|
|-S .suf|圧縮されたファイルに付与するサフィックス(接尾辞)を「.suf」にする|
|-t|圧縮されたファイルをチェックする。|
|-v|圧縮作業の状態の詳細を表示する|
|-n|圧縮速度を指定する(n=1(圧縮速度優先)~9(圧縮率優先))|
===== コマンド例 =====
=== ファイルを圧縮 ===
$ ls -l sendmail.8.9.3.tar
-rw-r--r-- 1 yamada user 3768320 Feb 23 21:57 sendmail.8.9.3.tar
sendmail.8.9.3.tarのサイズは3768320バイト
$ gzip sendmail.8.9.3.tar sendmail.8.9.3.tarを圧縮し圧縮率を表示する。
$ ls -l sendmail.8.9.3.tar.gz
-rw-r--r-- 1 yamada user 1068290 Feb 23 21:57 sendmail.8.9.3.tar
sendmail.8.9.3.tarの圧縮後のサイズは1068290バイト
=== ファイルを圧縮し、内容を表示 ===
$ gzip -v sendmail.8.9.3.tar.gz 圧縮ファイルの情報を表示する
compressed uncompr. ratio uncompressed_name
1068290 3768320 71.6% sendmail.8.9.3.tar
71.6%圧縮され、元のファイルの30%程度の
サイズになっていることが分かる
=== 圧縮速度を指定して圧縮 ===
$ gzip -n1 sendmail.8.9.3.tar 圧縮速度を優先して圧縮する。
sendmail.8.9.3.tar: 65.8% -- replaced with sendmail.8.9.3.tar.gz
圧縮速度を優先すると少し圧縮率が落ちる
=== 圧縮ファイルを復元(伸長) ===
$ ls -l sendmail.8.9.3.tar.gz
-rw-r--r-- 1 yamada user 1063119 Feb 23 21:57 sendmail.8.9.3.tar.gz
$ gzip -d sendmail.8.9.3.tar.gz 圧縮されたファイルを復元する
$ ls -l sendmail.8.9.3.tar
-rw-r--r-- 1 yamada user 3768320 Feb 23 21:57 sendmail.8.9.3.tar
=== /var/log/all.log.0.gz などを標準出力してgrepする ===
$ gzip -dc all.log.1.gz |grep -B 3 -A 3 matsui123456@yahoo.co.jp